おさぜん農園

2021.08.03

コラム:いちごハウスと高設栽培システム

コラム

今回は、【いちごハウスと高設栽培システム】についてお話させていただきます。

無事、農地が確保できた後は、いよいよ農業資金を集めることと並行にいちご栽培のためのハウスと
栽培システムを決定していく必要があります。

まず、ビニールハウスは大きく区分するとパイプハウスと鉄骨ハウスに分けることができます。

両社の違いは独立基礎を有するかどうかです。基礎があれば、強度が増し、対候性の高いハウスになります。
また、パイプの厚さやパイプの本数、ビニール素材などを組み合わせ、ハウスの強度計算をしていきます。

どの程度の強度が必要なのかは、候補農地の気候や台風リスク等を考慮した上で、決定されると良いでしょう。

以前はJAや商社に問い合わせし、見積依頼をしてはじめて概算の費用を把握しておりましたが、
現在はインターネット上で敷地面積や強度、軒高、付帯設備を入力することで、概算見積を
入手できることが可能になりましたし、そういったサイトを活用し、計画を立てていくのも良いかもしれません。

但し、最終的には販売店とのやり取りになってきますので、ご注意くださいませ。

その他、二重カーテンや温風ボイラー、循環扇などの付帯設備につきましては、
栽培をはじめてからの収量や重油などのランニングコストを考慮すると、
取り付けておいた方がいいと思われます。

とはいえ、初期費用がかかりますので、付帯設備の何を導入し、何を削減するかが、
ハウス建設のポイントになってくると思います。

ハウスが決まれば、次は【いちご高設栽培システム】です。

現在、日本には数100種類のいちご高設栽培システムがあり、各都道府県の農業試験場や
各農業資材メーカーがしのぎを削っています。
それぞれのポイントは2点です。

1 栽培ベットの素材と形状
2 培地の種類

その他、細かな違いを挙げれば、水や液肥を設定するコントローラーの能力
(系統別肥料濃度設定、日射センサーに対応した潅水量の設定など)やがく折れ防止のための装置の有無、
温湯菅取付の有無などありますが、上記2点が最も着目すべきところです。

まず、【栽培ベット】の主要な素材は以下の通りです。

1 排熱しにくく、保温性の高い発泡スチロール製の容器
2 熱を逃がしやすく、半永久的に使用可能なプラスチック製の容器
3 取り扱いしやすく、比較的安価な栽培層シート

その他にも、ピートバックと呼ばれる専用培地が入った袋をベンチの上に乗せる方式や
市販のプランターを使用する方式などがあります。
この栽培ベットを何にするかで初期費用やランニングコストが大きく異なりますので、栽培計画を軸に選定しましょう。

こちらは当園でも使用している材質が発砲スチロール製のものです

 

次に、【培地】については、ヤシガラやココピート、ピートモス、ロックウールなど
様々な培地をどのような配合で使用するかによって、排水性や保水性、初期の定植株活着などが決定します。
この点については、システム販売業者がそのシステムに適した培地を提供してくれますので、
選定する必要はないのですが、使用している培地がどのような特性があるのか
(排水性が高い、保水性が高い、定植初期の潅水は多くする、など)把握しておくべきでしょう。

ちなみに、弊社で実施しております【いちご農家応援プロジェクト】事業では、
どのようなハウスを作ったらいいのか、どのシステムを選べばよいのかお悩みの方に対し、
ハウスやシステム建設に向けてのご相談を実際にいちご栽培をしているいちご農家の視点からアドバイスさせて頂きます。
お気軽にお申し付けくださいませ。

【いちご農家応援プロジェクト】の活動の一部は下記過去の記事でもご欄頂けます

→いちごハウス建設中 ~いちご農家応援プロジェクト~

ビニールハウスやいちごシステムは一度決定すると、後々に変更できるものではなく、
この選定は今後のいちご栽培に大きな影響を及ぼします。

したがって、様々なハウスやシステムを徹底的に調べ上げ、場合によってはいちご農家視察を実施し、
自分の目で確認したり、使用している生産者さんの生の声を聞いたり、情報収集されることをおすすめします。

なかなか大変な作業かもしれませんが、
ご自分で、いちごハウスやいちご高設栽培システムを決める、
それが、いちご農家のための第一歩かもしれませんね。

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